普段、上半身を中心としたボディメイクのトレーニングしか積んでない者が出場したらどうなるのか…という内容で書くつもりで出場して参りましたが…
・おら、もう二度と出ねっぞ!
ご存知、参加者はレース中に一瞬「(ワタシ)オレは金を払って何でこんなことしてんだろ…」と正気に戻って後悔するらしい(?)スパルタンレースに参加して参りました。
詳細は検索してもらえれば分かりますがスパルタンレースとは完全にネタレベルにキツい障害物レース。やってやろうじゃないかと日頃の鍛錬の成果を発揮すべく全国からトレーニーが集結するのであります。
当然ながらトレーニーと言いましても、トレーニングの内容によって得意不得意が分かれるところです。スパルタンレースにおけるガチ勢とは、クロスフィッターや10種競技とか中長距離ランナーあたりの層でしょうか。
距離が最短のカテゴリーでもSPRINTの5kmなので、求められる能力の内で大きく占めるのは総合的な持久力です。険しき長い道を走り切る強い足腰はもちろん、しがみ付いたり、よじのぼったり、引き上げたり、抱えたり、投げたり、次から次へと障害物をクリアし続けるには強靭な上半身の筋力を要します。
そこは普段から自重やら、それ以上の高重量を用いて鍛えているボディメイク系のトレーニーにも一日の長がありそう、というか実際にアドバンテージを感じたシーンもあったんですが、それよかレースのタイム短縮の要は障害物以外の局面にあるんじゃないかと。有酸素系のトレーニングをしてないとやはり厳しい。私は完走するだけで精一杯でした。
以下、レース中の写真は撮ってないのですが、各障害物の感想をお伝えします。
・デビュー戦に選ぶには最悪過ぎたGALA湯沢スキー場ステージ
スタートする前から、地獄が手を拱いて待ち受けているのが景色に広がっていて参加者の気を滅入らせます。この写真だけを見て、何のこれしきと思ってもらっては困ります。山頂に向かって、こんな感じの傾斜が折り返し何度も現れて2km以上続くのです。私はペース配分を間違えて、途中足が動かなくなりました。そもそも走って登ろうしたのが間違いだったのです。もうね、傾斜がキツ過ぎて、手をついて登った方が楽なんじゃねえかと思いましたわ。
一見して体の線が細く障害物をクリアするには頼りなさげに見えた方々はトレイルランナーだったんでしょうか。スタートしていくと飛ぶようなスピードで山を登っていきました。強え…
今回のような、だいぶアップがキツいコースなら例え全ての障害物でクリアが危ういくらい非力で、毎回代わりにバーピー30回やったとしても、登板力と持久力で勝負できる人の方が強いと思うのです。なんで、(来年は)我こそはという山男よ、出てこいやあ!
▼スリップウォール
ロープを頼りに傾斜の壁を登るんですが、誰でも余裕の障害物です。ガチ勢はロープは使わずに駆け上がると見た!
▼ロープクライム
日頃の背中トレでチンニングをしっかりやってるなら大丈夫。楽勝。攻略動画では、体力を温存するためにも上半身の力だけに頼らず足をフックさせて登る方法が紹介されてますが、いちいち足を絡めるのもタイムロスなので、引く力が強ければしのごの言わず上半身だけで登った方が早いような。ここは倍の長さのロープでも周りより早くクリアできた自信あり。ボディメイク系のトレーニーたちはここぞとばかりに力を見せつけてやりましょう。
▼モンキーバー
ズバリ雲梯です。大会によって、バーの間隔の広さが異なるなんて噂あり。太さは単管パイプ並みなんで、フォルスグリップが得策です。前のステージで手袋が湿っていたのが仇となって、すっぽ抜けて落下しました。一生の不覚。
▼有刺鉄線
あえて言うなら膝をついて登ると小石が痛いってことぐらいですかね。前の人が遅いとつかえちゃって、疲労も相俟って、あーもう早く進んでよ!てなる事も然もありなん。その気になればスパイダーウォークでダダダっと。
▼セブンフットウォール
楽勝。手なり足なり使って乗り越えるべし。特筆すべきこと無し。ここで苦戦するなんて、トレーニングが足りてないぞ!
▼バゲットブリゲート
動画の解説では、セルフでバケツに石を詰め込まないといけないらしいですが、私が今回参加した大会では予めパンパンに詰めた状態で用意されてました。辛くなったら、石器時代の労働ってこんな感じだったのかなあなんて思いを馳せてみたりして気を紛らわせましょう。
▼アトラスキャリー
とりあえず腰は無事だったので何より。強い人はともかく、中腰はかえって危ないかも。ディープスクワットをやるみたいに深くしゃがんで鉄球の下に腕を差し込んで抱え込んだら立ち上がる。という要領でやったら上手くできました。コツもいるし足腰の地力が物を言うと思いますが、持って立てたのなら歩けるはず。周囲を見回した感じでは達成率は低めな様子。必要な事は、一にデッドリフト、二にデッドリフト、三、四が無くて五にデッドリフト。まあ、ぶっちゃけ私もギリギリだったんですけどね…
最後の障害物として登場。動画では様々な形状の手すりが設定されてますが、今回参加した大会ではリングのみでした。モンキーバーと要領は同じなんですが、リングの方が掴みやすく配置も短い間隔でぶら下がっていたので、だいぶ易しく感じました。
▼ハーク・ホイスト
参加者から今大会の砂袋はいつもより軽く感じたなんて声も聞けたんですが、もっと重たくても余裕で対応できた自信あり。そ〜っと丁寧に降ろせって指示されるんですが、この時ズルズル〜ってロープが滑って摩擦で手を火傷しがちだそうなので不安な人はグローブ必須です。
▼スピア・アロー
これ、飛距離的に槍は届いたんですが惜しくも的を外しました。何気に成功率低い障害物と思われます。この日お会いした歴戦の強者曰く刺さったらラッキーで、もともとバーピー30回やる腹積もりで挑んでるとのこと。一方で外したことがないと言う人もいるので、それだけ向き不向きが分かれるみたいですね。後がつかえているということもあり失敗しようが、一人につき一投を厳守せよとアナウンス。特異過ぎて練習する機会も無いので、是非とももう一回投げたかったんですが。
障害物は他にもっとありましたが、以上のと似通っていたり、特に難しくもなかったりしたので端折ります。
・総括
平均よりも劣るポテンシャルでボディメイク系のトレーニングしか積んでいなかったとしても、プル系の障害物では強さを発揮できる!
ディレクターのジョーもこう言うとるんでね
( ゚Д゚)∩Hey!! ジョー! ワタシ メッチャケンスイヤッテマス!
攻略もクソもヘッタクレもない至極単純なアドバイスで拍子抜けしましたが、ジョーが言ってるんだから、そういうことなのでしょう。
背中のトレーニングにおいてチンニングは欠かせない種目。スパルタンレースのようなシチュエーションでは日頃の鍛錬の成果がイコールで現れるのでガンガンやろうず。
▼実はアクシデントもありました。
左右両シューズのソールが剥がれました。残り1.5kmくらいの地点で片方が剥がれて、まもなく砂袋を運んでる最中にもう片方も剥がれました。
この時、砂袋を担ぎながらソールを拾い何事も無かったのようにゴールを目指す私を見た海外からの参加者が
( ;゚Д゚)ウワァ…
て顔して、クレイジー…って呟いてたらしい。
思いがけず大和魂を見せてしまったみたいで、今頃海の向こうでサムラ~イ(・∀・)とか言われて語り草となっていることでしょうな。ウンウン。
(゚Д゚)ハァ?
※剥がれたソールは、ちゃんとゴミは持ち帰る精神の元、肌身離さずゴールを駆け抜けました。
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